『2019北京・日本映画週間』映画紹介



こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話

『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』

© 2018 “A Banana? At This Time of Night?” Film Partners
監督:前田哲/原作:渡辺一史/脚本:橋本裕志/キャスト:大泉洋、高畑充希、三浦春馬/製作年:2018年/海外配給:日本テレビ放送網株式会社/上映時間:120分

あらすじ:
 鹿野靖明(大泉洋)、34歳。札幌在住、筋ジストロフィー、車いす。体で動かせるのは、首と手だけ。それでも病院を飛び出し、風変わりな自立生活。自らボランティアを集め、わがまま放題。夜中に「バナナが食べたい!」とか言い出す。ずうずうしい、ほれっぽい、よくしゃべる。新人ボランティアの美咲(高畑充希)に一目ぼれ。医大生の田中(三浦春馬)にはいつもダメ出し。でも、二人が恋人同士とは知らない…。自分に素直で、だれとも対等に向き合う。生きているうちに、どうしても叶えたい夢がある。そんな彼に出会って、みんなの人生も輝きはじめる―


監督紹介:前田哲
 助監督として、伊丹十三、滝田洋二郎、黒沢清、阪本順治、松岡錠司、周防正行などの監督作品に携わった後、1998年に劇場映画監督デビュー。主な映画監督作品として、沖縄の美ら海水族館の尾びれを失ったイルカが、人口尾びれをつけて再生する実話を映画化した松山ケンイチ主演『ドルフィンブルー フジもういちど宙へ』(07)、小学校でブタを育て食べる「命の授業」を実践した先生と子供たちの実話を映画化した、妻夫木聡主演『ブタがいた教室』(08)は、第21回東京国際映画祭でコンペティション部門の観客賞と審査員賞をW受賞、チェコのズーリン国際児童・青年映画祭で準グランプリを受賞、全州映画祭で観客賞を受賞、海外の映画祭で数々の受賞並びに招待を受けた。他には、人気コミック を映画化した『猿ロック THE MOVIE』(09)、『極道めし』(11)、『王様とボク』(12)がある。 初のドキュメンタリー映画『ぼくの好きな先生』(19)が日本で現在公開中。



エリカ38

『エリカ38』

© YOSHIMOTO FILMS ALL RIGHTS RESERVED
監督:日比遊一/脚本:日比遊一/キャスト:浅田美代子、樹木希林/製作年:2019年/海外配給:YOSHIMOTO KOGYO CO., LTD/上映時間:104分

あらすじ:
 渡部聡子・自称エリカ(浅田美代子)は、愛人・平澤育男(平岳大)の指示のもと、支援事業説明会という名目で人を集め、架空の投資話で大金を集めていた。だが実は、平澤が複数の女と付合い、自分を裏切っている事を知る。  
 彼女は平澤との連絡を絶つと、金持ちの老人をたらし込み、豪邸を手に入れた。老人ホームに入っていた母(樹木希林)も呼び寄せ、今度は自ら架空の支援事業の説明会をおこない金を詐取していく。  
 旅先のタイで、若者ポルシェと出会う。恋に落ちるエリカ。  
 蜜月の時。だがもう警察の手はすぐそこまで伸びていた。


監督紹介:日比遊一
 1987年に俳優を志し渡米。1992年からは写真家としても活動する。2014年米国にて初の長編映画『ブルー・バタフライ』を完成。2016年高倉健のドキュメンタリー映画『健さん』を監督し、第 40 回モントリオール世界映画祭ワールド・ド キュメンタリー部門 「最優秀作品賞」を受賞、2017 年同作品で日本映画批評家大賞ドキュメンタリー賞を受賞した。



あいあい傘

『あいあい傘』

© 2018 “Under One Umbrella” Film Partners
監督:宅間孝行/脚本:宅間孝行/キャスト:倉科カナ、市原隼人/製作年:2018年/海外配給:SDP/上映時間:116分

あらすじ:
 愛する妻と娘との日々を思い返しながら、六郎は電車に乗り、小さな田舎町に降り立つ。夕立が来そうな雲行きのなか、さまよい歩き、恋園神社にたどり着く。神社の一角にあるお茶屋「恋園庵」の女将・玉枝は、六郎の思い詰めたような姿が気になり跡を追い、悲しそうにたたずむ彼にそっと傘を差し出した。そんな六郎の姿を少し離れたところからずっと見つめる視線があった—。
 それから25年後。六郎(立川談春)は、あの夏の日の出会いをきっかけに、玉枝(原田知世)と彼女の一人娘の麻衣子(入山杏奈)と生活をともにしていたが、麻衣子との関係は上手くいかず悩んでいた。そして年に一度の夏祭りの日が近づいていたある日、運命が動き出した。父・虎蔵(永井大)の跡を継いでテキ屋になった清太郎(市原隼人)は、仲間の日出子(高橋メアリージュン)と力也(やべきょうすけ)を引き連れて、今年もまた恋園神社を訪れる。同じ頃、さつき(倉科カナ)もその田舎町にやって来た。彼女の旅の目的は、25年前に姿を消した父の六郎を探すためだった。
 死んだと聞かされていた父親が生きていることを知り、どうして会いに来ないのか、一体どんな暮らしをしているのかを確かめに来たのだ。


監督紹介:宅間孝行
 1970年7月17日生まれ。東京都出身。タクフェス主宰。俳優・脚本家・演出家。97年、劇団「東京セレソン」を旗揚げ。後「東京セレソンデラックス」と改名。2012年に劇団を解散、13年、「タクフェス」を立ち上げる。役者としてドラマや映画に多数出演する一方、脚本・演出家(09年まではサタケミキオ名)としても活動。主な脚本作品は「花より男子」シリーズ、劇団作品の映像化としてはドラマ「歌姫」、「間違われちゃった男」、映画『くちづけ』など。2008年『同窓会』では初監督・脚本・主演を務め、映画『全員、片想い』内の短編「サムシングブルー」(16)、映画『LOVEHOTELに於ける情事とPLANの涯て』(19)では監督・脚本を務めた。



そらのレストラン

『そらのレストラン』

© 2018“Restaurant From The Sky” Film Partners
監督:深川栄洋/脚本:深川栄洋、土城温美/キャスト:大泉洋、本上まなみ、岡田将生/製作年:2018年/海外配給:ポニーキャニオン/上映時間:126分

あらすじ:
 今日も食卓に、明るい声が響く。ここは道南・せたな町。海が見える牧場で酪農を営む亘理は、 妻のこと絵、一人娘の潮莉とのしあわせな家族3人暮らし。自然に寄り添った食を追求する仲間たちに囲まれ、厳しくも美しい大地で楽しい日々を送っている。亘理の夢は、自分の牧場の牛乳で、この地でしか食べられないチーズを作ること。でも師匠のチーズ職人・大谷にはまだ追いつけず、落ち込んだり奮起したりの繰り返しだ。ある時、札幌から訪れた有名シェフ・朝田に自分たちの食材を激賞され、亘理は一つのアイデアを思いつく。それは、せたなのおいしいものを広く届けるため、一日限定のレストランを開くことだった。だが、納得ゆくチーズが完成せず思い悩んでいたある日、突然大谷が倒れ…


監督紹介:深川栄洋
 1976年9月9日生まれ。千葉県出身。専門学校在学中から自主映画を制作。PFFアワードで 『ジャイアントナキムシ』(00)、『自転車とハイヒール』(01)が2年連続入選を果たす。04年『自転少年』で商業監督デビューし、翌05年『狼少女』で劇場用⻑編映画を初監督。『60歳のラブレター』(09)のスマッシュヒットで一躍脚光を浴び、『白夜行』(11)、『洋菓子店コアンドル』(11)、ヒット作『神様のカルテ』(11)といった人間ドラマでその手腕を発揮する。以降、『ガール』(12)、『くじけないで』(13)、『神様のカルテ 2』(14)、『トワイライトささらさや』(14)、『サクラダリセット』2 部作(17) 、『いつまた、君と∼何日君再来∼』(17)など、コンスタントに話題作を発表し続けている。また初プロデュース映画『ヌヌ子の聖★戦∼HARAJUKU STORY∼』が18年11月に公開される。



九月の恋と出会うまで

『九月の恋と出会うまで』

© Yumi Matsuo/Futabasha ©2019 “Until I Meet September’s Love” Film Partners
監督:山本透/原作:松尾由美/脚本:草野翔吾、山田麻以、山本透/キャスト:高橋一生 、川口春奈/製作年:2019年/海外配給:日本テレビ放送網株式会社/上映時間:105分

あらすじ:
 ちょっと不思議なマンションに引っ越してきた志織は、小説家志望の隣人平野と運命的に出会う。そして、新しい部屋で突然聞こえてきた不思議な声―「こちらは一年後の未来です。あなたに危険が迫っている」。それは強盗殺人にあうところだった志織を助けようと時空を越えて届いた、未来からの誰かの声だった。相談を受けた平野は、助かった志織に、<タイムパラドックス>が生じることに気付く。それは一年後、志織の存在が消えることを意味していた。必死に自分を助けようとする平野に惹かれていく志織だったが、平野との別れは近づいていた―。


監督紹介:山本透
 1969年3月20日生まれ、東京都出身。大学を卒業後、フリーランスの助監督として多数のドラマや映画にかかわる。08年『キズモモ。』で長編映画監督デビュー。12年『グッモーエビアン!』では、ヒロインの三吉彩花に第67回毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞をもたらした。近年の監督・脚本作に、『探検隊の栄光』(15)、『猫なんかよんでもこない。』(16)、『わたしに××しなさい!』(18)など。



雪の華

『雪の華』

© 2019 “Snow Flower” Film Partners
監督:橋本光二郎/脚本:岡田惠和/キャスト:登坂広臣、中条あやみ、高岡早紀、浜野謙太/製作年:2019年/海外配給:ワーナー・ブラザース映画/上映時間:125分

あらすじ:
 幼いころから病気のために、幸せになることをあきらめてきた美雪。余命を宣告された彼女の唯一の目標は<約束の地>フィンランドでオーロラを見ることだった。ある日、美雪はひったくりにあい、声も出ずその場でへたり込んでしまう。そんな彼女の前に現れたのは、ガラス工芸家をめざす青年・悠輔だった。「声出してけよ!声!」まっすぐな彼の言葉は、凍りきっていた彼女の心をじんわりと溶かしていく。悠輔の働く店が危機になっていると知った美雪は「私が出します、100万円。その代わり1ヶ月間、私の恋人になってください」と、期間限定の恋を持ちかけて――。  かけがえのない出会いが、美雪に一生分の勇気をあたえて、悠輔の人生を鮮やかに彩っていく。東京と<約束の地>フィンランドを舞台に描かれる、一生に一度、運命の恋。


監督紹介:橋本光二郎
 1973年生まれ、東京都出身。日本映画学校卒業後、『あ、春』の相米慎二監督、『おくりびと』の滝田洋二郎監督など名だたる監督に師事し、助監督として経験を積む。2010年に深夜ドラマ「BUNGO-日本文学シネマ-「冨美子の足」」で監督デビューを果たすと、繊細な感情表現と作りこまれた世界観が非常に高い評価を獲得し、一躍期待の若手監督として注目を集めた。2011年には河合勇人監督とともに演出したドラマ「鈴木先生」で、日本民間放送連盟ドラマ部門最優秀賞、ギャラクシー賞など各賞を獲得。その後、2015年に『orange-オレンジ-』で長編映画を初監督。今作は『羊と鋼の森』(18)に続き3作品目になる。




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