「2017上海・日本映画週間」上映作品紹介


幼な子われらに生まれ

©2017 "DEAR ETRANGER" Film Partners

「幼な子われらに生まれ」

監督:三島有紀子/脚本:荒井晴彦/原作:重松清/キャスト:田中麗奈、浅野忠信/製作年:2017年/海外配給:ポニーキャニオン/上映時間:127分

あらすじ:

 バツイチ子持ちで再婚した中年サラリーマンの主人公・信。二度目の妻・奈苗とその連れ子の二人の娘と共に、平凡ながらも幸せを感じて生活していた。 仕事への熱意はあまりないが、2度目だからこそ家庭を大事にし、連れ子にも父親として誠心誠意接しているつもりだ。しかし、奈苗の妊娠が発覚し、それを契機に長女が「ほんとうのパパ」に会いたいと言いはじめる。前の父親・沢田とはDVが原因で離婚しており、信と妻は面会を反対するが、長女は露骨にいやがる態度と辛辣な言葉で、父親としての信の存在自体を否定する。長女との関係、そして今の家族に息苦しさを覚え始める信は、やるせなさを抱えたまま、前の父親に長女を会わせることに。 さらに、長女を前妻との娘とつい比べてしまい、前妻に愚痴をこぼす信。今の家庭を維持することに疲れ、これから生まれ来る命の存在すら否定したくなる信だが―。

監督紹介:三島有紀子

 NHKで人間ドキュメンタリー作品の企画・監督を経て、09年に『刺青~匂ひ月のごとく~』で映画監督デビュー。『しあわせのパン』(12)、『ぶどうのなみだ』(14)と、オリジナル脚本・監督で作品を発表。『ぶどうのなみだ』は第38回モントリオール世界映画祭のワールド・グレイツ部門に招待され、世界的に高い評価を得た。『しあわせのパン』『ぶどうのなみだ』『繕い裁つ人』(15)は大切なことを守りながらひたむきに生きる人たちを描いた感動作にして代表作。近作は『少女』(16)。

昼顔

©2017 FUJI TELEVISION NETWORK, TOHO, FNS27

「昼顔」

監督:西谷弘/脚本:井上由美子/キャスト:上戸彩、斎藤工、伊藤歩、平山浩行/製作年:2017年/海外配給:ポニーキャニオン/上映時間:125分

あらすじ:

 お互いに結婚していながら、惹かれあい愛し合うようになった笹本紗和と北野裕一郎。 その一線を越えた関係はいつしか明るみになり、ついに2人は別れざるを得なくなってしまった。そして、紗和は夫とも別れ一人になった。 あれから3年ー紗和は海辺の町で慎ましく暮らしていた。
 オーナーの杉崎尚人が営むレストランでのアルバイトと狭いアパートの往復が日課で、北野の夢を見る事さえ既に無くなっていた。
 一方、大学の非常勤講師となっていた北野は蛍に関する講演を、ある街で行う事に。
 講演中、客席に目を向けたとき、彼は言葉を失ってしまう。そこには、紗和の姿があった。
 「神様、私を試しているのでしょうか」
 運命のいたずらか、再びめぐり合う二人。
 あの時に交わした愛を忘れられず、どちらからともなく逢瀬を重ねていく。
 清流ながれる蛍の住処が“約束の場所”。
 そんな中、二人の前に現れたのは、北野の妻・乃里子だった……。

監督紹介:西谷弘

 1962年2月12日 生まれ、東京都出身。
 共同テレビジョン入社後、CM部を経てドラマ部へ異動。2006年、フジテレビに移籍。 フジテレビドラマ制作センターゼネラルディレクター、テレビドラマの演出家である。 <主なドラマ作品>『美女か野獣』、『白い巨塔』(03),『ラストクリスマス』(04), 『エンジン』(05),『ガリレオ』(07),『任侠ヘルパー』(09)。 映画の特徴としては、シーンとシーンの合間で本編中に複数回、映像と音声を突然カットで切って黒味にする編集を好む。 <主な監督作品>『県庁の星』(06),『容疑者Xの献身』(08),『アマルフィ 女神の報酬』(09), 『アンダルシア 女神の報復』(11),『真夏の方程式』(13)。

帝一の國

©2017 FUJI TELEVISION NETWORK/SHUEISHA/TOHO

「帝一の國」

監督:永井聡/脚本:泉吉紘/原作:古屋兔丸/キャスト:菅田将暉、野村周平、竹内涼真/製作年:2017年/海外配給:ポニーキャニオン/上映時間:118分

あらすじ:

 全国屈指の頭脳を持つ800人のエリート学生達が通う、日本一の超名門・海帝高校。政財界に強力なコネを持ち、海帝でトップ=生徒会長をつとめたものには、将来の内閣入りが確約されているという。時は4月、新学期。大きな野心を持つ男が首席入学を果たす。新1年生・赤場帝一。彼の夢は「総理大臣になって、自分の国を作る」こと。その夢を実現するためには、海帝高校の生徒会長になることが絶対条件。「ライバルを全員蹴落として、必ずここでトップに立つ・・・そのためならなんでもする・・・どんな汚いことでも・・・。2年後の生徒会長選挙で優位に立つには、1年生の時どう動くかが鍵となる。戦いはもう始まっているのだ!」。誰よりも早く動き始め、野望への第一歩を踏み出した帝一。待ち受けていたものは、想像を絶する罠と試練!友情と裏切り!究極の格付けバトルロワイアル!いま、命がけの「生徒会選挙」が幕を開ける!!

監督紹介:永井聡

 1970年7月31日生まれ、東京都出身。
 CM監督として、サントリーBOSS「ゼロの頂点」(松本幸四郎・松たか子出演)、カロリーメイト「とどけ、熱量。」(満島ひかり出演)、サントリー「グリーンダカラちゃん」など数々の話題作を手掛け、2012年からACCCM FESTIVAL ディレクター賞を2年連続受賞。「いぬのえいが」(05)で短編映画を手がけ、「ジャッジ!」(14)で長編映画監督デビュー。「世界から猫が消えたなら」(16)では現実とファンタジーが入り交じった難しい世界観を見事に描き切った。長編映画は本作が3作目。

お湯を沸かすほどの熱い愛

©"Her Love Boils Bathwater" Film Partners

「湯を沸かすほどの熱い愛」

監督:中野量太/脚本:中野量太/キャスト:宮沢りえ、杉咲花、オダギリジョー、松坂桃李/製作年:2016年/海外配給:株式会社博報堂DY ミュージック&ピクチャーズ/上映時間:125分

あらすじ:

 余命2ケ月。私には、死ぬまでにするべきことがある。
 銭湯「 幸 さち の湯」を営む幸野家。しかし、父が1年前にふらっと 出 しゅっ 奔 ぽん し銭湯は休業状態。母・双葉は、持ち前の明るさと強さで、パートをしながら、娘を育てていた。
 そんなある日、突然、「余命わずか」という宣告を受ける。その日から彼女は、「絶対にやっておくべきこと」を決め、実行していく。
 ○家出した夫を連れ帰り家業の銭湯を再開させる 
 ○気が優しすぎる娘を独り立ちさせる 
 ○娘をある人に会わせる
 その母の行動は、家族からすべての秘密を取り払うことになり、彼らはぶつかり合いながらもより強い絆で結びついていく。そして家族は、究極の愛を込めて母を葬ることを決意する。

監督紹介:中野量太

 1973年7月27日生まれ。京都育ち。大学卒業後「映画監督になる」と飲み屋のトイレに書き残し上京、日本映画学校に入学し3年間映画作りの面白さに浸る。卒業制作の『バンザイ人生まっ赤っ赤。』(00)が日本映画学校今村昌平賞、TAMA NEW WAVEグランプリなどを受賞。日本映画学校卒業後、映画の助監督やテレビのディレクターを経て、6年ぶりに撮った短編映画『ロケットパンチを君に!』(06)が、ひろしま映像展グランプリ、長岡インディーズムービー コンペティション・グランプリ、福井映画祭グランプリ、水戸短篇映画祭準グランプリなどを含む7つの賞に輝く。2008年、文化庁若手映画作家育成プロジェクトに選出され、35ミリフィルムで制作した短編映画『琥珀色のキラキラ』(08)が高い評価を得る。独特の感性と視点で《家族》を描き続けてきた彼が、その集大成ともいえる『チチを撮りに』で劇場公開デビューを飾る。

カノン

© 2016 "Kanon" Film Partners

「カノン」

監督:雑賀俊朗/脚本:登坂絵里香/キャスト:比嘉愛未、ミムラ、佐々木希、桐山漣、鈴木保奈美/製作年:2016年/海外配給:サーフ・エンターテイメント/上映時間:123分

あらすじ:

 祖母の葬儀で久しぶりに会った三姉妹は、遺書を開き、驚きの事実を知る。
 「許して下さい。あなた達のお母さんは生きています」
 死んだはずの母が生きていた。あの頃とはすっかり変わり果てた姿で……。母はアルコール性認知症で施設にいた。19年前、なぜ母はわたしたちの前から姿を消したのか? なぜ約束を守ってくれなかったのか? 母へのわだかまりを抱えたまま大人になり、それぞれ別の街で恋や家庭、仕事に奮闘する三姉妹。施設の部屋には母が宝物のように大事にしているオルゴールがあり、蓋を開けると、パッヘルベルの「カノン」が流れ出す。それは母娘が幸せだった頃、母が弾いてくれた思い出の曲。あの時の曲を、母はまだ憶えている……。そう確信した次女の藍は長女の紫と三女の茜に連絡を取り、母の過去を探る旅に誘い出す。やがて彼女たちが真実に辿り着いた時、眩しい光の中で「カノン」のピアノ三重奏が再び響き渡る——。

監督紹介:雑賀俊朗

 1958年生まれ、福岡県出身。早稲田大学卒業。泉放送制作に入社し、数多くの作品のディレクターやプロデューサーを務める。2001年『クリスマス・イヴ』で劇場映画監督デビュー。 その後、『ホ・ギ・ラ・ラ』(02)、『RANBU 艶舞剣士』(04/ゆうばり国際ファンタスティック映画祭出品)と続けて監督作を発表。2008年、鹿児島の遠泳を題材にした『チェスト!』を監督。同作は第8回角川日本映画エンジェル大賞を受賞し、香港フィルムマートの日本代表作品に選出された。その他の監督作に、ヨットレースに挑む少女たちを描いた『海の金魚』(10)、石川県の港町を舞台にアマチュアオーケストラの奮闘を描いた『リトル・マエストラ』(13/上海国際映画祭日本映画週間正式招待)、 宮崎県に伝わる神話を子どもたちのダンスで描いた『神話の国の子どもたち』(15)などがある。 

ひるなかの流星

©2017 Fuji Television TOHO SHUEISHA

「ひるなかの流星」

監督:新城毅彦/脚本:安達奈緒子/原著:やまもり三香/キャスト:永野芽郁、三浦翔平、白濱亜嵐/製作年:2017年/海外配給:ポニーキャニオン/上映時間:119分

あらすじ:

 恋愛未経験の与謝野すずめが転校先の高校で出会ったのは、上京初日に迷子になっていたのを助けてくれた担任教師の獅子尾。一見軽そうだが優しくて面倒見のよい獅子尾に、すずめは生まれて初めての恋をする。すずめのことが気になりながらも、教師という立場から素直になれない獅子尾。そんななか、すずめはクラスで隣の席に座る“女子が大の苦手”なはずの馬村から告白される。果たしてすずめの初恋の行方は…?

監督紹介:新城毅彦

 1962年生まれ、東京都出身。1990年代より「あすなろ白書」「イグアナの娘」など社会現象化したドラマを数多く手がけ高い評価を獲得。
 2006年に『ただ、君を愛してる』で長編映画デビュー。
 主な監督作品:『Life 天国で君に逢えたら』(07)、『僕の初恋をキミに捧ぐ』(09)、『パラダイス・キス』(11)、『潔く柔く きよくやわく』(13)、『四月は君の嘘』(16)。

デスノートLight up the NEW world

©Tsugumi Ohba Takeshi Obata / Shueisha Inc.
© 2016 "DEATH NOTE" FILM PARTNERS

「デスノート Light up the NEW world」

監督:佐藤信介/脚本:真野勝成/原作:大場 つぐみ、小畑健/キャスト:東出昌大、池松壮亮、菅田将暉/製作年:2016年/海外配給:日テレ/上映時間:135分

あらすじ:

 犯罪のない社会を目指し、デスノートで世界を変えようとした“キラ”こと夜神月。暴走する彼を阻止しようとした世界的名探偵“L”。天才VS天才の対決から10年経ったある日、世界中のネット回線がジャックされ、“キラ”によるメッセージが発信された。「デスノートを手に入れろ」 死神により地上にもたらされた6冊のデスノート。同時多発的に発生する大量の殺人事件。そんななか、三島が率いるデスノート対策本部に、Lの後継者・竜崎が加わり、無差別殺人の現場で一冊のデスノートを手に入れる。一方、その現場には、キラ信奉者・紫苑の姿が。今、それぞれの譲れない“正義”を賭けた、3人の壮絶な頭脳戦が始まる・・・

監督紹介:佐藤信介

 1970年生まれ、広島県出身。武蔵野美術大学在学中に脚本・監督を手掛けた16ミリ短編映画『寮内厳粛』が、ぴあフィルムフェスティバル94でグランプリを受賞。続いて自主制作映画を監督し、脚本家としても活動、2001年に『LOVE SONG』で監督メジャー・デビューを果たす。監督第2作目の本格アクション映画『修羅雪姫』(01)が、世界20カ国以上で公開され称賛を浴びる。2011年、『GANTZ』と続編の『GANTZ : PERFECT ANSWER』が大ヒットを記録、その後も『図書館戦争』シリーズ(13・15)とスーパーヒットを連発、『アイアムアヒーロー』(16)では、世界三大ファンタスティック映画祭にて、グランプリ獲得を含め制覇するなど、日本のエンターテイメント映画を代表する監督として、世界からも新作が待ち望まれている。

真田十勇士

©2016 "Sanada Ten Braves" Film Partners

「真田十勇士」

監督:堤幸彦/脚本:マキノノゾミ/キャスト:中村勘九郎、松坂桃李、大島優子/製作年:2016年/海外配給:日テレ/上映時間:135分

あらすじ:

 関ヶ原の戦いから14年。天下統一を目前にした徳川家康と、復権を狙う豊臣家の対立が深まっていた戦国の世で、“天下に並ぶ者なし”の名将として、世間から尊敬を集めていた男、真田幸村。しかし実はこの幸村、その男前な容貌と、偶発的な幸運の連続によって勝ちを拾ってきただけの、気弱な〈腰抜け男〉だった・・・ 実像と虚像の違いに悩んでいた幸村はある時、猿飛佐助と運命的に出会う。忍者の里から飛び出してドデカいことを成し遂げたいと思っていた佐助は、幸村を担いで「本物の天下一の英雄に仕立て上げようじゃないか!」と、同じ抜け忍の霧隠才蔵を筆頭に一癖も二癖もある十人の男たちを集め、世にいう《真田十勇士》を誕生させる! 亡き秀吉の妻・淀殿に呼び寄せられた幸村、そして十勇士たちは、またたく間に徳川との最終決戦の最前線に立つこととなった。戦国最後にして最大の戦い、徳川対豊臣の〈大坂の陣〉がついに幕を開ける。ついに明かされる“真田丸の謎”、佐助と才蔵を狙う、くノ一(女忍者)の火垂との“因縁”、淀殿と幸村の禁断の“秘密”、そして勝つ事は不可能とも思える圧倒的に不利な徳川との戦いで、佐助と十勇士が企てた驚愕の“大仕掛け”とは・・・。徳川軍二十万VS十勇士、時代を変える《大逆転》がいま、 始まる!

監督紹介:堤幸彦

 1955年11月3日生まれ。愛知県出身。映画、テレビドラマ、音楽ビデオ、ドキュメンタリー等、手がける作品は多岐にわたる。近年の主な作品に映画「20世紀少年」三部作、「BECK」、「MY HOUSE」、「くちづけ」、「エイトレンジャー」シリーズ、「劇場版SPEC」シリーズ、「悼む人」、「イニシエーション・ラブ」、「天空の蜂」など。TVドラマでは「トリック」シリーズ、「SPEC」シリーズ、「ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~」、「視覚探偵 日暮旅人」、「刑事バレリーノ」、「神の舌を持つ男」などがある。また「Kesenuma Voices. 東日本大震災復興特別企画~堤幸彦の記録」などドキュメンタリーも手がけ、舞台でも「テンペスト」、「悼む人」、「真田十勇士」、「スタンド・バイ・ユー~家庭内再婚~」など様々なジャンルに挑戦し、幅広い世代から高い評価を得ている。